取引先とのトラブルが表面化した、退職者から執拗な連絡が続いている、株主総会や記者会見に役員が出席する——こうした場面で「人そのものを守る警備」が必要になることがあります。これが警備業法上の4号警備(身辺警備業務)、一般に「ボディーガード」と呼ばれる業務です。
ただし、4号警備は他の警備業務と制度の作りがかなり違います。検定制度の有無、対応できる会社の数、依頼の進め方——いずれも1号や2号の感覚で考えると噛み合いません。そして最も重要なのは、警備員には特別な法的権限がないという点です。
この記事では、全国の警備会社を地域と業務内容で探せる「近くの警備会社ナビ」編集部が、依頼する側(発注者)の目線で4号警備を整理しました。法令はe-Gov法令検索の現行条文、統計は警察庁公表資料と照合しています。
この記事でわかること
- 4号警備の法律上の定義と、1号〜3号との位置づけの違い
- 4号警備だけ警備業法上の検定制度が存在しないという制度上の事実とその根拠条文
- 警備員にできること・できないこと(警察のSPとの決定的な違い)
- 対応できる警備会社が全体の6.5%にとどまる実態【警察庁統計】
- 自社のケースが4号に当たるかを見分ける判断フロー
- 依頼前チェックリストと、契約時に必ず受け取るべき書面
4号警備とは|法律ではどう定義されているか
警備業法は、警備業務を4つの区分に分けています。4号警備の定義は次のとおりです。
この法律において「警備業務」とは、次の各号のいずれかに該当する業務であつて、他人の需要に応じて行うものをいう。
(中略)
四 人の身体に対する危害の発生を、その身辺において警戒し、防止する業務
条文をよく読むと、4号警備の特徴が2つ見えてきます。
ひとつは、守る対象が「人の身体」である点です。1号警備が施設の盗難等を、3号警備が運搬中の現金・貴重品を守るのに対し、4号は物ではなく人を対象としています。財産の保全が主目的であれば、それは4号ではなく別の区分に整理されます。
もうひとつは「その身辺において」という限定です。つまり4号警備は対象者と行動を共にする業務であり、建物の入口に立つ、敷地内を巡回するといった業務は、たとえ人の安全のためであっても1号警備(施設警備業務)として整理されるのが一般的です。区分の当てはめは業務の実態によるため、具体的なケースは警備会社や所轄警察署にご確認ください。4区分全体の整理は警備業務の種類まるわかり|1号〜4号を発注者向けに完全解説でまとめています。
4区分の中での4号の位置づけ
| 区分 | 守る対象 | 警戒する場所 |
|---|---|---|
| 1号(施設警備) | 施設における盗難等の事故 | 警備業務対象施設 |
| 2号(交通誘導・雑踏) | 負傷等の事故 | 人・車両が雑踏する場所、通行に危険のある場所 |
| 3号(運搬警備) | 運搬中の現金・貴金属・美術品等の盗難等 | 運搬の経路 |
| 4号(身辺警備) | 人の身体に対する危害 | 対象者の身辺 |
根拠:警備業法第2条第1項第1号〜第4号(e-Gov法令検索)
注意したいのは、1つの現場に複数の区分が混在することが珍しくない点です。株主総会であれば、受付・入口管理は1号警備、来場者の整列・誘導は2号警備、役員に随行する警護は4号警備、というように分かれます。「何をしてほしいか」を場面ごとに分解して伝えると、警備会社が体制を組みやすくなります。
【重要】4号警備には警備業法上の検定制度が存在しない
ここが、4号警備を依頼するうえで最も見落とされやすい制度上の事実です。「ボディーガードの資格を持っている人に頼みたい」と考える方は多いのですが、警備業法上、4号警備に対応する検定は設けられていません。
根拠は2段構えになっています。まず、有資格者の配置義務を定めた警備業法第18条の対象範囲を見てください。
警備業者は、警備業務(第二条第一項第一号から第三号までのいずれかに該当するものに限る。以下この条並びに第二十三条第一項、第二項及び第四項において同じ。)のうち、その実施に専門的知識及び能力を要し、かつ、事故が発生した場合には不特定又は多数の者の生命、身体又は財産に危険を生ずるおそれがあるものとして国家公安委員会規則で定める種別(以下単に「種別」という。)のものを行うときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その種別ごとに第二十三条第四項の合格証明書の交付を受けている警備員に、当該種別に係る警備業務を実施させなければならない。
出典:警備業法第18条(e-Gov法令検索)(強調は編集部)
括弧書きに注目してください。この条文が適用されるのは「第二条第一項第一号から第三号までのいずれかに該当するもの」に限ると明記されています。第4号は、条文上そもそも配置義務の対象外なのです。
これを受けて、具体的な種別を定める「警備員等の検定等に関する規則」の第1条も、次の6種別しか掲げていません。
| 検定の種別 | 根拠となる区分 |
|---|---|
| 空港保安警備業務 | 1号 |
| 施設警備業務 | 1号 |
| 雑踏警備業務 | 2号 |
| 交通誘導警備業務 | 2号 |
| 核燃料物質等危険物運搬警備業務 | 3号 |
| 貴重品運搬警備業務 | 3号 |
| (4号に対応する種別は置かれていない) | 4号 |
根拠:警備員等の検定等に関する規則第1条第1号〜第6号(e-Gov法令検索)
さらに、検定そのものを定める第23条第1項は「公安委員会は、警備業務の実施の適正を図るため、その種別に応じ、警備員又は警備員になろうとする者について、その知識及び能力に関する検定を行う」と規定しています。先ほどの第18条の括弧書きには「以下この条並びに第二十三条第一項、第二項及び第四項において同じ」とあり、この限定が第23条にも及びます。つまり4号は、配置義務の対象外であるだけでなく、検定の実施対象そのものに含まれていないのです。
この事実は、発注者にとって次の意味を持ちます。
- 「検定合格者がいるか」で業者を絞り込めない——雑踏警備であれば「検定合格警備員の在籍」が体制の適法性を測る客観的な指標になりますが、4号警備にはその物差しがありません
- 民間資格・自社認定を法令上の資格と混同しない——各社が独自の研修や社内認定を設けていることはありますが、それらは警備業法上の検定とは別のものです。「有資格者が対応します」と説明を受けたら、何の資格かを具体的に確認してください
- 判断材料は実績・体制・計画の中身になる——資格で足切りができない分、後述するチェックリストの比重が高くなります
ただし「公的な仕組みが何もない」わけではない
検定がないからといって、4号警備が制度の外にあるわけではありません。押さえておくべき仕組みが2つあります。
1つ目は、公安委員会の認定です。他人の需要に応じて4号警備を行う以上、それは警備業であり、営もうとする者は認定を受けなければなりません(警備業法第4条)。認定を受けていない事業者に身辺警備を依頼することは避けるべきで、認定番号は依頼前に必ず確認してください。確認方法は警備会社の認定番号とは|正規業者かを確認する方法で解説しています。
2つ目は、警備員指導教育責任者の制度です。警備業法第22条第1項は、営業所ごと・警備業務の区分ごとに警備員指導教育責任者を選任することを義務づけており、同条第3項は資格者証の交付も区分ごとに行うと定めています。
警備業者は、営業所(警備員の属しないものを除く。)ごと及び当該営業所において取り扱う警備業務の区分ごとに、警備員の指導及び教育に関する計画を作成し、その計画に基づき警備員を指導し、及び教育する業務で内閣府令で定めるものを行う警備員指導教育責任者を、(中略)選任しなければならない。(後略)
出典:警備業法第22条第1項(e-Gov法令検索)(強調は編集部)
つまり、4号警備を扱う営業所は4号区分の警備員指導教育責任者を選任しなければなりません(欠員が生じた場合は、同項ただし書により14日間の猶予があります)。実際、警察庁の統計でも令和6年中に4号区分の警備員指導教育責任者資格者証が1,829件交付されています(警察庁「令和6年における警備業の概況」)。検定合格者の在籍を指標にできない代わりに、「4号の指導教育責任者を置いている営業所ですか」と尋ねることはできる——これは業者選定で使える、あまり知られていない確認ポイントです。
警備員にできること・できないこと|警察のSPとの違い
4号警備を検討する方が最も誤解しやすいのが、警備員の権限です。結論から言えば、警備員は特別な法的権限を持ちません。
警備業者及び警備員は、警備業務を行うに当たつては、この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意するとともに、他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。
出典:警備業法第15条(e-Gov法令検索)(強調は編集部)
要人警護にあたる警察官(いわゆるSP)が警察官としての権限に基づいて職務を行うのに対し、4号警備員は法的には一般の私人と同じ立場で業務を行います。しかも第15条は、権限がないことに留意するだけでなく、他人の権利・自由を侵害してはならないという積極的な制約も課しています。
| 4号警備員に依頼できること | 依頼できないこと |
|---|---|
| 対象者への随行と周囲の警戒 | 特別な権限に基づく職務執行(警察官等の権限) |
| 移動経路・訪問先の事前確認と計画立案 | 第三者の身体拘束や所持品検査の強制 |
| 危険の予兆の把握と対象者への助言・退避誘導 | 正当な理由なく他人の行動を制限すること |
| 不審な人物・車両の存在の確認と報告 | 個人の私生活を継続的に監視・追跡する行為 |
| 事案発生時の初期対応と警察・消防への通報 | 強制力を伴う立入禁止措置の決定 |
| 関係先(会場・宿泊先等)との事前調整 | 正当な活動への干渉(第15条が明示的に禁止) |
この整理から見えてくるのは、4号警備の本質は「実力で制圧すること」ではなく「危険な状況を作らないこと」だという点です。事前の経路確認、待機場所の設定、動線設計、関係先との調整——業務の重心はむしろ準備段階にあります。
なお、警備を依頼すれば危害を確実に防げるというものではありません。警備業務は危害の発生を警戒し防止することを目的とするものであり、あらゆる事態を回避できると保証するものではないため、この点は誤解のないようご理解ください。深刻な危険が現に及んでいる場合は、警備会社への相談と並行して、速やかに警察へ相談することが重要です。警察には警察相談専用電話「#9110」をはじめ各種の相談窓口が設けられています。生命・身体に危険が差し迫っている場合は、ためらわず110番通報してください。
服装と護身用具のルール
4号警備では「目立たないようにしてほしい」という要望がよく出ますが、服装には法令上のルールがあります。警備業法第16条第1項は、警察官および海上保安官の制服と、色、型式または標章により明確に識別できる服装を用いることを求めています(識別の対象となる公務員は警備業法施行規則第27条で警察官・海上保安官と定められています)。必ず警備員然とした制服を着なければならないという趣旨ではありませんが、用いる服装は同条第2項により公安委員会への届出事項とされています。ただし、同一都道府県内で継続して行う期間が30日以内、かつ従事させる警備員が1日5人以内の警備業務は、届出の対象から除かれます(同法施行規則第31条・第14条第1号)。単発の警護依頼はこの例外に当たることが少なくありません。希望がある場合は警備会社に相談し、届出との関係を確認してもらうのが確実です。
護身用具についても定めがあります。
警備業者及び警備員が警備業務を行うに当たつて携帯する護身用具については、公安委員会は、公共の安全を維持するため必要があると認めるときは、都道府県公安委員会規則を定めて、警備業者及び警備員に対して、その携帯を禁止し、又は制限することができる。
出典:警備業法第17条第1項(e-Gov法令検索)(強調は編集部)
ここで押さえるべきは、護身用具の具体的な規制内容が都道府県公安委員会規則に委ねられているという構造です。したがって「何を携帯できるか」は全国一律ではなく、業務を行う都道府県によって異なり得ます。加えて同条第2項により、携帯しようとする護身用具の種類・規格は公安委員会への届出事項とされています(服装と同じく、30日以内かつ1日5人以内の警備業務は届出の対象外です)。複数の都道府県にまたがる警護を依頼する場合は、この点を警備会社に確認しておくと、当日の想定にずれが生じにくくなります。
4号警備に対応できる会社は多くない【警察庁統計】
実際に探し始めると、多くの方が「思ったより見つからない」と感じます。これは実態を反映しています。
警察庁「令和6年における警備業の概況」によると、令和6年12月末現在の認定業者(4条業者)数は1万811業者。このうち区分ごとの実施状況は次のとおりです。
| 区分 | 実施している業者数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 1号警備業務 | 6,974業者 | 64.5% |
| 2号警備業務 | 8,800業者 | 81.4% |
| 3号警備業務 | 662業者 | 6.1% |
| 4号警備業務 | 708業者 | 6.5% |
| うち緊急通報サービス | 234業者 | 2.2% |
| うち緊急通報サービス以外 | 557業者 | 5.2% |
出典:警察庁「令和6年における警備業の概況」(令和6年12月末現在)。1業者が2以上の区分を実施している場合は各区分に計上されているため、合計は100%を超えます。種別についても同様で、2以上の種別に該当する場合は各種別に計上されています(234+557が4号の総数708を上回るのはこのためで、少なくとも83業者は両方を手がけていることになります)。
4号警備を実施しているのは708業者、全体の6.5%。2号警備の81.4%と比べると、対応業者の層の厚さがまったく違うことがわかります。
さらに注目すべきは内訳です。4号警備業務のうち234業者は「緊急通報サービス」で、これは同資料の注記によれば、隔地の人の身辺に備えた機器を通じて危害の発生を警戒し防止する業務を指します。つまり、警備員が随行する形の身辺警備とは性質が異なります。随行型の警護を想定して探す場合は、緊急通報サービス以外の557業者(5.2%)が母数の目安になります。
この統計を踏まえると、発注者としては早めに探し始める(比較に時間がかかる)、エリアを固定しすぎない(地元で見つからなければ広域対応の会社も候補に)、まず対応可否から確認する(1号・2号を主力とする会社は4号を扱っていないことが多い)という進め方が現実的です。
なお当サイトの都道府県・業務区分別の検索では、収集時点で4号警備を明示している会社が限られるため、身辺警備は各社への直接のお問い合わせでご確認いただくのが確実です。1号・2号を中心に事業を行う会社でも、相談に応じて対応可能な場合があります。
【判断フロー】あなたのケースは4号警備に当たるか
「うちの状況は身辺警備を頼むべきなのか」を整理するための判断フローです。上から順に確認してください。
| ステップ | 確認する内容 | 結果 |
|---|---|---|
| Q1 | 守りたいのは特定の人の身体ですか?(財産・施設ではなく) | いいえ → 1号・2号・3号の検討へ |
| Q2 | 警戒してほしい場所は、その人の身辺(行動を共にする範囲)ですか? | いいえ(建物や敷地内が中心) → 1号警備(施設警備)の検討へ |
| Q3 | 現に危険が差し迫っている状況ですか? | はい → まず警察に相談。並行して警備会社へ |
| Q4 | 会場・イベントに伴う警護で、来場者の整理・誘導も必要ですか? | はい → 4号+2号(雑踏警備)の併用を前提に相談 |
| Q5 | 自宅・事務所の常時の見守りが主目的ですか? | はい → 機械警備や1号警備との組み合わせも検討 |
| 結論 | Q1・Q2がいずれも「はい」 | 4号警備(身辺警備)の相談対象 |
Q3を独立させているのには理由があります。切迫した危険がある場合、警備の依頼は警察への相談の代わりにはなりません。前述のとおり警備員に特別な権限はなく、対応できる範囲には限りがあります。順序としては警察への相談が先、警備会社の活用はそれと並行して検討するもの、と整理してください。
また、雑踏警備との併用が必要なケース(Q4)は実務上とても多くあります。イベントや式典で登壇者を警護する場合、会場全体の来場者整理は別の区分の業務です。詳しくは雑踏警備とは|配置基準と交通誘導との違いを発注者向けに解説をご覧ください。
依頼前チェックリスト
4号警備は検定で業者を絞り込めない分、確認事項の設計が重要になります。次の2つのリストを使ってください。
■ 警備会社に伝えるべき情報
- 警護の対象となる方の人数と立場(役員、来賓、従業員など)
- 期間と時間帯(単発の1日か、一定期間の継続か。夜間・早朝を含むか)
- 行動の予定(移動経路、訪問先、宿泊の有無、公開されている予定かどうか)
- 懸念している事態の内容(何が、どの程度、いつから起きているか。経緯の記録があれば共有)
- 警察への相談状況(相談済みか、被害届等の状況)
- 目立たせたくないなどの要望(服装・立ち位置の希望)
- 社内の対応体制(窓口担当者、緊急時の連絡先)
とくに懸念している事態の具体的な経緯は、警備計画の中身を大きく左右します。話しにくい内容を含むこともありますが、共有できる範囲を整理しておくと提案の精度が上がります。
■ 警備会社に確認すべきこと
- 公安委員会の認定を受けているか(認定番号)——確認方法はこちら
- 4号警備業務を実際に取り扱っているか(緊急通報サービスのみの対応ではないか)
- 4号区分の警備員指導教育責任者を選任している営業所か(警備業法第22条)
- 「有資格者」と説明された場合、それが何の資格か(4号に検定制度はないため、民間資格・社内認定かどうかの確認)
- 事前準備として何を行うか(経路確認、下見、関係先調整の有無)
- 当日の体制と指揮系統(人数、交代の方法、連絡手段)
- 想定外の事態が起きた場合の対応方針(警察への通報基準、退避の判断者)
- 複数の都道府県で実施する場合の護身用具・服装の届出関係(警備業法第16条・第17条)
- 秘密保持の取り決め(警護対象者の情報の管理方法)
- 予定変更・中止の場合の費用の扱い
複数社を比較する際の進め方は、警備の相見積もりの取り方|比較のポイントと依頼文の例で整理しています。
■ 契約時に必ず受け取る書面
警備業法は、契約の前後に書面を交付することを警備業者に義務づけています。
警備業者は、警備業務の依頼者と警備業務を行う契約を締結しようとするときは、当該契約を締結するまでに、内閣府令で定めるところにより、当該契約の概要について記載した書面をその者に交付しなければならない。
2 警備業者は、警備業務を行う契約を締結したときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項について当該契約の内容を明らかにする書面を当該警備業務の依頼者に交付しなければならない。(後略)出典:警備業法第19条第1項・第2項(e-Gov法令検索)(強調は編集部)
第2項が挙げる事項には、警備業務の内容・対価の額・支払の時期と方法・業務を行う期間・契約の解除に関する事項が含まれます(第1号〜第5号)。つまり発注者は、契約前に契約概要の書面を、契約後に契約内容を明らかにする書面を受け取れることになります(同条第3項により、依頼者の承諾を得て電磁的方法で提供される場合もあります)。急ぎの案件では口頭での取り決めのまま業務が始まってしまうこともありますが、期間・対価・解除の条件が書面で明確になっているかは必ず確認してください。
よくある質問
Q. 個人でも身辺警備を依頼できますか?
A. 警備業法上の警備業務は「他人の需要に応じて行うもの」とされており(第2条第1項)、依頼者が法人か個人かは問われていません。実際に個人からの相談を受け付けている会社もあります。ただし対応方針は会社ごとに異なるため、まず相談可否を確認してください。
Q. 警察のSP(要人警護)に依頼することはできますか?
A. 警察官による警護は警察の職務として行われるものであり、民間が発注して利用するサービスではありません。民間の警備会社に依頼できるのは、あくまで警備業法上の4号警備業務です。両者は権限の面で根本的に異なる点を、前掲の警備業法第15条とあわせてご理解ください。
Q. 警備員は身を挺して守ってくれるのですか?
A. 4号警備の業務は、危害の発生を警戒し、防止することです。ただし、どのような対応が可能かは状況によって異なり、いかなる事態でも危害を確実に防げると保証されるものではありません。実際の業務では、危険な状況を回避する事前の計画と、有事の退避・通報が重視されます。「何ができて何ができないか」を契約前に具体的に確認しておくことが、双方にとって重要です。
Q. 何人くらいの体制が必要ですか?
A. 4号警備は検定合格警備員の配置義務の対象外であり(警備業法第18条)、人数に関する法令上の基準も設けられていません。そのため一律の目安はありません。警護対象者の人数、移動の頻度と経路、想定される事態、時間帯によって大きく変わります。行動予定を共有したうえで、警備会社に計画を立ててもらってください。
Q. どれくらい前に相談すべきですか?
A. できるだけ早くをおすすめします。前述のとおり対応業者が限られるうえ、4号警備は事前の経路確認や関係先調整に時間を要するためです。日程が決まった段階での相談が望ましいといえます。
まとめ|4号警備は「資格」ではなく「体制」で選ぶ
4号警備(身辺警備業務)は、警備業法第2条第1項第4号に定める人の身体に対する危害の発生を、その身辺において警戒し、防止する業務です。他の区分と比べて制度の作りが異なるため、依頼にあたっては次の3点を押さえてください。
- 警備業法上の検定制度がない——第18条・第23条第1項は第1号から第3号までに限定されており、検定規則第1条にも4号に対応する種別はありません。「検定合格者の在籍」では業者を選べないため、認定番号の確認と、4号区分の警備員指導教育責任者の選任状況、実績・計画の中身が判断材料になります
- 警備員に特別な権限はない——警備業法第15条が明示するとおりです。切迫した危険がある場合は、まず警察への相談を。警備の依頼はその代替にはなりません
- 対応業者が限られる——前述のとおり随行型の母数は557業者程度です。早めに動き始めてください
現場の状況が整理できたら、対応できる警備会社を探して相談してみましょう。まずはどの区分が必要かを確かめたい方は、無料の診断からご利用いただけます。
- 【無料】警備依頼先診断|3つの質問で、あなたの現場に合う警備の区分と相談先がわかります
- 都道府県から警備会社を探す(4号警備の対応可否は各社へ直接ご確認ください)
- 相見積もりの取り方を確認する/認定番号の確認方法を見る
【出典・参考】
・警備業法(昭和47年法律第117号)|e-Gov法令検索(第2条第1項、第4条、第15条、第16条、第17条、第18条、第19条、第22条)
・警備員等の検定等に関する規則(平成17年国家公安委員会規則第20号)|e-Gov法令検索(第1条第1号〜第6号)
・警備業法施行規則(昭和58年総理府令第1号)|e-Gov法令検索(第14条第1号・第27条・第31条)
・警察庁「令和6年における警備業の概況」(警備業者数、警備業務の区分ごとの警備業者の状況、警備員指導教育責任者資格者証の交付状況)
※法令は2026年7月時点でe-Gov法令検索の現行条文と照合しています。本記事は一般的な情報提供であり、個別の案件に関する法的助言ではありません。実際の対応可否や手続については、所轄警察署および警備会社にご確認ください。危険が差し迫っている場合は、速やかに警察にご相談ください。
