「来月から水道管の入れ替え工事。交通誘導は何日前に頼めばいいのか」——路上工事の交通誘導は、警備会社に電話する前の段取りでほぼ勝負がつきます。許可の申請時期を読み違えると、警備員を確保できても着工できません。
この記事は「近くの警備会社ナビ」編集部が、道路上で行う工事(路上工事)に絞り、発注者・元請・施工者の「いつ・誰に・何を頼むか」という時系列の実務をまとめたものです。法令はe-Gov法令検索の現行条文、実務基準は国土交通省「建設工事公衆災害防止対策要綱の解説」(令和元年9月・土木工事編)と照合しています。
この記事でわかること
- 手配が「許可の2本立て」からの逆算になる理由と、着手の順番
- 【逆算スケジュール表】工事初日の60日前から前日まで、いつ何をするか
- 掘削・仮復旧・本復旧と、工程ごとに変わる規制の形=警備の人数・時間
- 規制の型別(片側交互通行・夜間・迂回・歩道切り回しなど)の手配の勘所【一覧表】
路上工事の手配は「許可の2本立て」から逆算する
路上工事は着工日を自分たちで決められません。性質の異なる2つの許可がかかり、審査にかかる時間がまったく違うためです。
| 道路占用許可 | 道路使用許可 | |
|---|---|---|
| 根拠 | 道路法第32条第1項 | 道路交通法第77条第1項第1号 |
| 許可する人 | 道路管理者(国・都道府県・市町村) | 所轄警察署長 |
| 対象 | 水管・ガス管・電柱等を設けて継続して道路を使うこと。工事用板囲・足場・詰所などを道路上に継続して設ける場合も対象(道路法第32条第1項第7号・同法施行令第7条第4号)で、掘削を伴わない工事でも両方の許可が要ることがある | 道路において工事・作業をしようとする者、またはその請負人の行為 |
| 交通誘導との関係 | 工事実施の方法の基準(施行令第13条)が規制の形に効く | 許可の「条件」として配置が求められる(法第77条第3項) |
| 処理期間の例 | 2〜3週間(国交省関東地方整備局・出張所受付から) | 7日(京都府警察) |
占用許可の「2〜3週間」は関東地方整備局の標準的な処理期間で、書類不備の補正等の期間は含みません。使用許可は京都府警察が標準処理期間7日・手数料2,400円、埼玉県警察が審査手数料1申請2,500円と公表しており、処理期間と手数料は都道府県ごとの確認が要ります。
占用を伴う工事の道路使用許可では所轄警察署長が道路管理者に協議する義務があり(道交法第79条)、警視庁の審査基準は標準処理期間を「7日(行政庁の休日は含まない)」としたうえで、この協議・二以上の警察署の管轄にわたる場合の協議・道交法第4条第1項の交通規制の手続に要する期間を加えるとしています。「7日」は最短の目安と考えてください。
つまり逆算の起点は占用許可です。その申請書には「工事実施の方法」「工事の時期」「道路の復旧方法」の記載が必要で(道路法第32条第2項第5号〜第7号)、交通処理の考え方が固まっていないと書けません。守備範囲の違いは道路占用許可と道路使用許可の違い、手続きの詳細は道路工事の道路使用許可と交通誘導員をご覧ください。
ライフライン工事は「さらに1か月手前」に締切がある
水道法・下水道法・ガス事業法・電気事業法・電気通信事業法等に基づいて水管・下水道管・ガス管・電柱・電線などを道路に設けようとする者は、占用許可を受けようとする場合、「これらの工事を実施しようとする日の1月前までに、あらかじめ当該工事の計画書を道路管理者に提出しておかなければならない」とされています(道路法第36条第1項。災害復旧その他緊急を要する工事、政令で定める軽易な工事は除く)。
この計画書は許可申請の前段の手続きです。したがって埋設工事は「1か月前に計画書 → 占用許可申請 → 使用許可申請」の3段構えになり、着工の1.5〜2か月前には動き始めるのが目安です。
2つの申請書はどちらか一方の窓口を経由して提出できますが(道路法第32条第4項・道路交通法第78条第2項。道路管理者は所轄警察署長へ事前協議=道路法第32条第5項、警察署長は道路管理者へ協議=道交法第79条)、窓口が一本化できても審査が同時に終わるわけではありません。
【逆算スケジュール表】工事初日をD日として、いつ何をするか
下表は市街地の道路を掘削する中規模のライフライン工事(工期2週間程度・片側交互通行)を想定した編集部の逆算モデルです。公的な標準工程ではなく、公表処理期間と実務上の所要日数から組んだ目安で、路線種別・自治体・時期により前後します。
| 時期 | やること | 相手 | 根拠・ねらい |
|---|---|---|---|
| D-60〜45 | 現地踏査。車線数・幅員・歩道・バス停・通学路・沿道の出入口を確認し、交通処理の方針を仮決め | 社内・設計 | ここが決まらないと申請書が書けない |
| D-45〜35 | 道路管理者と事前相談。交通処理図をもって所轄警察署の交通課にも相談 | 道路管理者/警察署 | 差し戻しを減らす |
| D-35〜30 | 警備会社への1次打診。日程・場所・規制の形・時間帯・夜間の有無を伝え空きを押さえる | 警備会社(複数社) | この段階なら比較して選べる |
| D-30 | ライフライン工事は工事計画書を道路管理者へ提出 | 道路管理者 | 道路法第36条第1項 |
| D-30〜25 | 道路占用許可を申請(工事実施の方法・時期・復旧方法を記載) | 道路管理者 | 道路法第32条第2項/例=2〜3週間 |
| D-25〜20 | 警備会社の現地調査に立ち会い、配置ポイント・出入口・歩行者動線を共有 | 警備会社 | 人数の根拠が出る |
| D-20〜14 | 見積の受領と比較。工程別・時間帯別の内訳で出してもらう | 警備会社 | 単価×延べ人日で見る |
| D-14〜10 | 道路使用許可を申請(占用の見通しが立った段階で) | 所轄警察署長 | 道交法第77条第1項第1号/例=7日 |
| D-10 | 警備会社と契約。締結前に概要書面、締結後に契約書面 | 警備会社 | 警備業法第19条第1項・第2項 |
| D-10〜7 | 沿道・近隣への周知(チラシ・回覧・工事広報板) | 付近居住者等 | 要綱 土木工事編 第10 |
| D-7〜5 | 許可条件を警備会社へ共有。配置人数・時間帯の指定があればそのまま渡す | 警備会社 | 条件違反は罰則の対象 |
| D-5〜3 | 警備計画書を受領し、配置図・有資格者の別・連絡体制を確認 | 警備会社 | 根拠を文書で押さえる |
| D-3〜1 | 保安施設(さく・標識・保安灯・予告板)の準備。前日に人員・集合時間・雨天時の扱いを再確認 | 社内/警備会社 | 中止時の規定も再確認 |
| D日 | 朝礼で規制手順と緊急連絡経路を共有。指示は警備会社の現場責任者を通す | 警備会社 | 請負としての実態を保つ |
短縮できる工程・できない工程
短縮できるのは社内の意思決定と見積比較の期間です。短縮できないのは①占用許可の審査 ②1か月前の工事計画書 ③警備員の実配置枠の3つ。とくに③は工事が集中する時期に取り合いになりやすく、繁忙期はさらに前倒しが要ります(依頼種別ごとの目安は警備は何日前に依頼すべきか)。
工程が変われば規制の形が変わる|掘削と仮復旧で警備は同じではない
路上工事は工程ごとに道路の使い方が変わり、規制の形と誘導員の数・時間帯も変わります。「工期=警備の日数」ではありません。
| 工程 | 典型的な規制の形 | 交通誘導のかかり方 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|---|
| 準備工(保安施設の設置・撤去) | 短時間の路肩規制 | 設置と撤去の日にスポット的に必要 | 初日と最終日は「作業がない日」ではない |
| 掘削・土留め・本体工 | 片側交互通行または車線規制が終日 | もっとも人数が要る山場。歩行者動線の切り回しも同時発生 | 試掘・埋設物確認で日数が伸びやすい |
| 埋戻し・仮復旧 | 規制範囲が徐々に縮小 | 人数を減らせる局面。ただしゼロにはならない | 仮舗装・覆工の措置が必要(後述) |
| 仮復旧期間(作業のない日) | 路面を一般交通に開放 | 誘導員は原則不要。ただし段差・覆工部の監視は残る | ここを工期に数えると総額を過大に見積もる |
| 本復旧(舗装打換え) | 面的な車線規制。夜間になることも多い | 掘削時と同等かそれ以上。夜間なら割増 | 掘削から日をおいて再度発生する。手配は別枠で必要 |
仮復旧は「工事を止める」ではなく「道路を返す」工程
要綱(土木工事編)第26は、道路を掘削した箇所を車両の交通の用に供しようとするときは、埋め戻したのち原則として仮舗装または覆工を行い、周囲の路面との段差を生じないようにしなければならないと定めています(やむを得ず段差が生じた場合は5パーセント以内の勾配ですりつけ)。解説は「車が通れさえすればよいという考え方は許されない」と明記しています。
仮復旧は中断ではなく正規の工程です。だから警備会社に渡すべきは工期ではなく、工程表に規制の形と時間帯を書き込んだものです。「掘削7日=2名終日/仮復旧期間3日=0名/本復旧2日=3名夜間」まで分解できれば、見積を自分で検算できます(総額の出し方は工事現場の警備員費用、内訳の読み方は警備の見積書の内訳)。
なお要綱第8(公衆災害防止対策経費の確保)は、発注者は必要となる措置をできる限り具体的に明示し、その経費を適切に確保しなければならないと定め、解説は「これらの経費の増加は発注者において負担されなければならない」としています。警備費は削るところではなく、条件を明示して確保するところです。
規制の型別・手配の勘所
下表は要綱(土木工事編)が示す基準を、手配の観点から整理したものです。
| 規制の型 | 基準(要綱 土木工事編ほか) | 手配の勘所 |
|---|---|---|
| 片側交互通行 | 道路管理者・所轄警察署長の指示がない場合の標準として、制限後1車線なら車道幅員3メートル以上/2車線なら5.5メートル以上。交互交通に供する場合は制限区間をできる限り短くし、渋滞しないよう原則、交通誘導警備員を配置(第25第1項一号・二号) | 先に規制区間長を決める。長いほど両端の見通しが利かず人手が増える |
| 車線規制 | 工事箇所の前方50〜500メートルの路側または中央帯に予告の標識・標示板。交通量の特に多い道路では内部照明式の標示板等(第24第3項) | 予告区間まで含めて一体で設計する。保安施設をどちらが用意するかを見積前に決める |
| 作業場の出入口 | 原則として交通流に対する背面から出入り。やむを得ず平行部分から出入りする場合は原則、交通誘導警備員を配置し一般車両を優先(第22第1項) | 出入口要員は規制本体とは別枠。工事車両の台数と出入り頻度を伝える |
| 夜間工事 | さく等に沿って高さ1メートル程度・夜間150メートル前方から視認できる保安灯(第24第1項) | 深夜割増が単価に乗り、交替要員の設計が重くなる |
| 全面通行止め・迂回 | まわり道の入口と要所に案内用標示板。交通量が多い場合や通学路では原則、交通誘導警備員を配置(第25第2項・同解説) | 迂回路の分岐点にも人が要る。工事箇所だけで人数を数えない |
| 歩道の切り回し | 車道とは別に幅0.90メートル以上・有効高さ2.1メートル以上(高齢者や車椅子使用者等の通行が想定されない場合は0.75メートル以上)。歩行者の特に多い箇所は幅1.5メートル以上を確保し、交通誘導警備員の配置等で誘導(第27第1項) | 車道側と歩道側で担当が分かれる=人数が増える。歩道の有無は最初の打診で伝える |
占用許可の側にも「原則として、道路の一方の側は、常に通行することができることとすること」という工事実施の方法の基準があり(道路法施行令第13条第4号)、片側交互通行が選ばれやすい理由の一つです。区間長・見通し・交通量の3点を現地で共有しないと、警備会社は人数を出せません(交通誘導の必要人数)。夜間の割増は夜間警備の割増料金を参照してください。
歩行者用通路の0.75メートルは例外側の数値で、原則は0.90メートル以上です。どうしても通路が取れず車道の幅員の中を通す場合は、交通誘導警備員を配置し、歩行者の通行に際して車両を一時停止させる等の措置が求められます(第27の解説)。
誰が申請し、誰が周知するのか|ライフライン工事と道路管理者の工事
申請できるのは「工事をしようとする者」または「その請負人」
道路交通法第77条第1項第1号の申請主体は「道路において工事若しくは作業をしようとする者又は当該工事若しくは作業の請負人」=発注者でも施工者でもどちらでも申請できる建て付けです。だからこそ「相手が出すと思っていた」という取りこぼしが起きます。最初の打合せで、2つの許可それぞれについて誰が申請するかを決めて記録に残してください。
2つの「路上工事」は主体も手続きも違う
| ライフライン(占用者)側の工事 | 道路管理者側の工事 | |
|---|---|---|
| 典型例 | 水道管・下水道管・ガス管・通信ケーブルの布設や更新 | 舗装の打換え、側溝の補修、区画線の引き直し |
| 道路との関係 | 他人の道路に物件を設けて継続使用する=占用(道路法第32条第1項第1号・第2号) | 道路管理者自身が管理行為として行う |
| 事前手続き | 工事実施日の1月前までに工事計画書(道路法第36条第1項)+占用許可+使用許可 | 占用許可は不要。道路管理者自身が道路の維持・修繕その他の管理のため行うときは使用許可ではなく所轄警察署長への協議で足りる(道交法第80条第1項)。ただし請負人が施工する場合の扱いは道路管理者・警察署により運用が分かれるので、発注時に確認する |
| 発注者 | 水道事業者・ガス事業者・電気通信事業者など | 国・都道府県・市町村 |
| 手配のクセ | 年度計画で工事箇所が決まるため前倒しで押さえやすい | 年度末に集中しやすく、警備員の取り合いになりやすい |
沿道への周知は「発注者及び施工者」の両方の責務
要綱第10第1項は「発注者及び施工者は、土木工事の施工に当たっては、あらかじめ当該工事の概要及び公衆災害防止に関する取組内容を付近の居住者等に周知するとともに、付近の居住者等の公衆災害防止に対する意向を可能な限り考慮しなければならない」と定めており、名宛人は発注者と施工者の両方です。解説はさらに、この「付近居住者等」には作業場周辺を往来する通勤者・通学者等の通行者も含まれると解すべきとしています。
実務では、面での周知(チラシ・回覧・工事広報板、学校・病院・バス事業者・沿道店舗への確認=発注者・施工者)、線での周知(予告標識・工事看板・迂回案内の設置=施工者、要綱第24・第25)、点での案内(現場での声かけと誘導=警備会社)の3つに分けると漏れません。警備会社に任せられるのは3つ目だけです。
警備会社に渡す情報リスト
最初の打診で次の項目を伝えられれば、概算はその場で出ます。曖昧だと、警備会社は安全側に厚めの人数を積むしかありません。
| 区分 | 伝える内容 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 場所 | 路線名・区間(起終点)・道路種別・車線数・幅員・歩道の有無 | 規制の型と人数の前提。指定路線・高速自動車国道/自動車専用道路の判定にも要る |
| 期間 | 着工予定日・工程表(工程ごとの規制の形と時間帯)・雨天順延の扱い | 延べ人日の算定と人員確保 |
| 規制 | 片側交互通行/車線規制/全面通行止め+迂回/歩道切り回しの別、規制区間長 | 配置ポイント数が決まる |
| 許可 | 占用許可・使用許可の申請状況と、付された条件の写し | 条件に配置人数・時間帯が書かれている場合がある |
| 資格 | 検定合格警備員の配置が必要な路線・区間に当たるか | 有資格者の確保には時間がかかる |
| 動線 | 作業場の出入口位置、工事車両の台数・出入り頻度、歩行者用通路の予定幅 | 出入口要員と歩道側要員の要否 |
| 周辺 | 通学路・バス路線・病院・沿道店舗・大型車の通行有無 | 時間帯別の増員判断 |
| 資機材 | 保安施設(さく・標識・保安灯・予告板)をどちらが用意するか | 見積の範囲がずれる最大の原因 |
複数社に同じ条件で投げれば比較が成立します。相見積の取り方と比較の観点は警備の相見積もりの取り方、会社の見極め方は良い警備会社の見極めチェックを参照してください。
契約と当日運用で外さない3点
1|書面は2種類。締結前と締結後に受け取れる
警備業者には、契約締結までに契約の概要を記載した書面を、締結後は遅滞なく契約内容を明らかにする書面を交付する義務があります(警備業法第19条第1項・第2項)。契約書面には対価や契約の解除に関する事項などが含まれるため(同条第2項各号)、雨天中止・工程延期の多い路上工事ではキャンセル規定の確認が特に重要です(警備のキャンセル料)。依頼者の承諾を得たうえでの電磁的方法による提供も認められており(同条第3項)、メールでの交付は適法です。あわせて警備計画書で配置図・時間帯・有資格者の別も確認しておきましょう。
2|検定合格警備員が必要かどうかは、道路で決まる
警備業法第18条により検定合格警備員の配置義務がかかるのは、警備員等の検定等に関する規則第2条の表の五の項=高速自動車国道または自動車専用道路と、六の項=道路または交通の状況により都道府県公安委員会が道路における危険を防止するため必要と認めるものの2つで、いずれも配置人数は「交通誘導警備業務を行う場所ごとに、一人以上」です。現場に立つ警備員全員が有資格者でなければならない義務ではなく、場所ごとに1人以上いれば残りは無資格者でも適法です。「この区間は指定に当たるか」を打診の初期に確認するのが手配の分かれ目です。調べ方は検定合格警備員の配置路線、資格の中身は交通誘導警備業務検定、資格が要らない現場の考え方は交通誘導は資格なしでも違法か、配置の全体像は交通誘導員の配置基準を参照してください。
3|警備員は交通規制の権限を持たない。ただし誤読も禁物
警備業法第15条は、警備業者および警備員は「この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意する」と定めています。交通規制は公安委員会(道路交通法第4条第1項)、手信号等による交通整理は警察官または交通巡視員(第6条第1項)、現場での通行の禁止・制限(同条第2項・第4項)は警察官のみで、誘導員の合図は通行者の任意の協力を求めるものです。ただし「だから規制のある現場に警備を頼めない」と読むのは誤り。委ねられないのは法的な禁止・制限の権限だけで、規制の実施は許可・条件に基づいて施工者側が行い、その現場で通行者の安全を図るのが交通誘導警備です(警備員の権限)。
許可条件は守らないと罰則があります。無許可で道路において工事・作業をした場合は道路交通法第119条第2項第7号、許可に付された条件(同法第77条第3項・第4項)に違反した場合は同項第8号に当たり、いずれも3月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金です。条件を付するのは所轄警察署長で、条件の変更・追加(第4項)や許可の取消し・効力停止(第5項)もあり得ます。条件の写しを警備会社に渡すのは、この意味でもリスク管理です。
また、現場での指示は警備会社の現場責任者を通すのが原則です。警備業務は労働者派遣が禁止されており、請負か派遣かは契約の名称ではなく実態で判断されるため、発注者が個々の警備員を直接指揮命令すると請負の実態が崩れます(警備員を自社で雇うか委託するか)。
よくある質問
Q. 道路工事の交通誘導は、何日前までに依頼すればよいですか?
本記事の逆算モデルでは着工の30〜35日前に1次打診です。ライフラインの埋設工事は工事計画書と占用許可の審査が先行するため、実質は着工の1.5〜2か月前から動いていることになります。
Q. 片側交互通行なら、警備員は2人でよいのですか?
「規制区間の両端に1人ずつ」が最小の構成として考えられますが、人数は区間長・見通し・交通量・歩行者の有無で変わります。全国共通の人数基準は法令になく、人数の根拠を説明できる会社を選ぶのが実務上の解です(交通誘導の必要人数)。
まとめ|路上工事の交通誘導は、電話する前の逆算で決まる
- 逆算の起点は道路占用許可(処理期間の例=2〜3週間)。使用許可(例=7日)だけを見ると足が出る
- ライフラインの埋設工事は工事実施日の1月前までに工事計画書(道路法第36条第1項)。実質1.5〜2か月前スタート
- 工期ではなく規制日数で見積を取る。仮復旧で道路を返す日は誘導員不要、本復旧で再度必要になる
- 周知と経費の確保は発注者の責務でもある(要綱第10・第8)
手配で最後にものを言うのは、相談できる警備会社をどれだけ早く見つけておくかです。「自分の現場にどんな警備が必要か、どこに頼めばよいか分からない」という方は、【無料】警備依頼先診断をご利用ください。地域から探す場合は都道府県一覧から、業務内容から探す場合は交通誘導警備に対応する警備会社一覧からどうぞ。
【出典・参考】道路交通法(e-Gov法令検索)/道路法(同)/道路法施行令(同)/警備業法(同)/警備員等の検定等に関する規則(同)/国土交通省「建設工事公衆災害防止対策要綱の解説」(令和元年9月2日 国土交通省告示第496号・土木工事編)/国土交通省 関東地方整備局「道路占用許可制度について」/京都府警察「道路使用許可申請手続」/埼玉県警察「道路使用許可に関する申請手続」/警察庁「道路使用許可の概要、申請手続等」/警視庁「審査基準(道路交通法第77条第1項)」(いずれも2026年10月時点)
