「警備費が予算を圧迫している。品質は落としたくないが、どこかを見直せないか」——建設会社・施設の管理部門・イベント主催者から、この相談は年々増えています。国土交通省の公共工事設計労務単価は令和8年3月適用分で14年連続の引き上げとなり、交通誘導警備員Aは18,911円、同Bは16,749円(全国平均値)まで上がりました(国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」)。警備料金は下がりにくい構造です。
ところが「警備費 削減」で調べると、出てくるのは結局単価を叩く話に寄りがちです。それでは、削れない費目まで削らせて交渉が行き詰まるか、無理な金額で受けた会社の体制が痩せて品質が落ちるかのどちらかになります。
この記事では「近くの警備会社ナビ」編集部が、品質と法令順守を落とさずに見直せるところとそもそも削ってはいけないところを切り分けました。料金の構成は一般社団法人全国警備業協会(全警協)「警備料金の基礎知識」、法令はe-Gov法令検索の現行条文、単価は国土交通省の公表資料と照合しています。
この記事でわかること
- 警備料金の3層構造(①労務費+②必要経費+③一般管理費等)と、見直す余地があるのはどこか
- 品質を落とさず見直せる5つのポイント【一覧表】と、法令上そもそも削れない「削ってはいけないコスト」【一覧表】(条文つき)
- 「全員が検定合格警備員」で見積もられていたら、逆に下げられる可能性がある理由
前提|警備料金は「①労務費+②必要経費+③一般管理費等」でできている
どこを見直せるかは、料金がどう積み上がっているかを知らないと判断できません。全警協「警備料金の基礎知識」は積算の考え方を次のように示しています。
- ①労務費(=公共工事設計労務単価):労働者本人が受け取るべき賃金。これを100%とする
- ②事業主が負担すべき必要経費:法定福利費(事業主負担分)、労務管理費等、現場作業経費。労務費の48%にあたるとされ、うち法定福利費が労務単価の約16%
- ③一般管理費等:企業を維持運営するための費用(役員報酬、地代家賃、減価償却費、保険料など)
この順に積算したものが警備員1人あたりの業務価格(工事価格)で、消費税相当額を加えたものが最終的な金額です(出典:全国警備業協会「警備料金の基礎知識」本編Q5・解説集(2026年5月 第3版))。なお「必要経費48%」は①労務費に対する比率であって、見積総額の48%ではありません。
労務単価は「請求単価」ではありません
削減交渉でいちばん誤解が多い点です。国土交通省は労務単価の公表資料に次の注記を明記しています。
公共工事設計労務単価には、事業主が負担すべき人件費(必要経費分)は含まれていません。よって、下請代金に必要経費分を計上しない、又は下請代金から値引くことは不当行為です。(国土交通省「令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について」)
同資料はさらに、労務単価が所定労働時間内8時間当たりの単価で、時間外・休日・深夜の割増賃金も、現場管理費(法定福利費の事業主負担分、研修訓練等の費用)や一般管理費等の諸経費も含まれていないと注記し、「例えば、交通誘導警備員の単価については、警備会社に必要な諸経費は含まれていない」と警備業を名指しで例示しています。つまり「労務単価=警備会社に払う金額」ではありません。労務単価まで下げてほしいと求めるのは、②の必要経費を丸ごと値引けと言っているのと同じです。また労務単価は47都道府県・51職種別に設定されているので、全国平均値だけを物差しにすると自県の実勢と合いません(公共工事設計労務単価とは/ガードマン1人いくら?)。
「動かせるところ」と「動かせないところ」
官庁施設の施設警備には、国が公表する建築保全業務労務単価(こちらは都道府県別ではなく全国10地区別)をもとにした積算(直接人件費→直接物品費→業務管理費→一般管理費等)があり、民間ビルの交渉でも根拠のひとつとして参照できます。装備品費・法定福利費・教育訓練費が費目として立つ点は同じです(同Q10・Q11)。②③は法令上の義務や会社の維持費が大半を占めるかたまりで、発注者が値引きを求める先ではありません。まっとうに削れるのは①にかかる「何人を、いつ、何時間、どこに置くか」という数量と、資機材や設備で人の稼働を減らせる部分です。
【一覧表】品質を落とさず見直せる5つのポイント
数量と段取りに手を入れる方向で、発注者側からできる見直しを5つに整理しました。効果は現場の条件で大きく変わるため「必ず〇%下がる」とは書いていません。「なぜ効くのか」と越えてはいけない法令上の線を併記します。
| 見直し | どう効くか/効果の出方(目安) | 注意点・法令上の限界 |
|---|---|---|
| ①仕様の見直し 人数・時間帯・稼働日を実態に合わせる |
労務費の数量が減り、削った時間・人数にほぼ比例。ただし半日稼働でも単価は日額の半分にはならない | 安全に必要な人数まで削らない。工事の交通誘導は道路使用許可の条件で人数が決まっていることがある |
| ②機械警備との組み合わせ 夜間だけ機械化するなど |
常駐1名分の労務費が消え、代わりに機器費・監視料・駆けつけ料が乗る。無人時間帯が長いほど有利 | 異常時に人が着くまでの時間が必ず発生。即応体制の所要時間は都道府県公安委員会規則の定めで地域差がある |
| ③発注のまとめ方 複数現場・拠点を1本の契約に/年間契約 |
調整の手間が1件あたりで薄まり、要員を融通しやすくなる。拠点数・期間が多いほど効きやすい | まとめても契約書面の交付義務は残る。安さだけで遠方に集約すると移動費が乗る |
| ④手配時期の前倒し 直前手配の割高を避ける |
要員の融通が利く段階で組めるので、応援・遠方手配・特急対応の上乗せが不要になる | 早く決めた分、変更・キャンセル時の負担ルールも一緒に決めておく |
| ⑤前提をそろえた相見積もり | 同条件で並べると単価差ではなく「積算の考え方の差」が見え、過剰な仕様に気づける | 取った見積を他社に見せて下げさせるのは買いたたきにつながる |
①仕様の見直し|いちばん確実で、いちばん見落とされている
長く続く契約ほど、当初の想定のまま人数と時間が固定されています。効果が確実なのは交渉より仕様の棚卸しです。
- 半日で足りる日がないか——移動・準備・報告の手間は変わらないため、半日の単価は日額の半分にはなりません(スポット依頼の相場)
- 常駐が必要か、巡回で足りるか——巡回なら1人で複数物件を回れます(巡回警備とは/巡回警備の費用相場)
- 深夜帯に置く必要が本当にあるか——深夜労働には労働基準法第37条第4項により25%以上の割増賃金が発生します(夜間・深夜の警備料金)
ただし交通誘導の人数は「削れる数量」とは限りません。道路工事では道路使用許可の条件として保安要員の配置が付されることがあり、勝手に減らすと許可条件に反します(交通誘導の警備員は何人必要?/交通誘導員の配置基準)。
②機械警備との組み合わせ|「置き換え」ではなく「役割分担」
機械警備は、施設の機器が感知した異常情報を施設外の基地局で受信して対応する1号警備です(警備業法第2条第5項)。常駐が「人数×時間」で増えるのに対し、機械警備は機器のリース料・基地局の監視料といった月額固定が中心で、異常時の駆けつけ費用が乗ります。無人の時間帯が長い施設ほど有利で、「夜間と休日だけ機械警備、日中は常駐」が定番なのはこのためです。ただし異常検知から到着までの時間は必ず発生し、受付・鍵の受け渡しといった「人がいること自体が価値」の業務は置き換えられません(機械警備と常駐警備の違い/防犯カメラと個人情報保護)。
③④手配のまとめ方と前倒し|段取りだけで動く部分
複数拠点をまとめると要員を融通しやすくなり、警備会社側のコスト構造が改善します。値引き要求ではなく「まとめるので条件を見直せないか」という提案の形にできます(都道府県から警備会社を探す)。
手配時期では警備業務実施計画の確定日が要です。全警協は、発注者都合のキャンセル時の費用負担に関わるため確定日を明確に定めるよう促し、確定日より前の内容変更・人数変更・キャンセルであれば発注者側への請求は発生しないとしています。「手配は早く、確定日は現実的な時期に」——これが摩擦の少ない進め方です。手配を前倒しすれば特急対応の上乗せが消え、確定日を実態に合った時期にしておけば、それまでの変更は無償で調整できます。ただしこれは全警協が示す実務の考え方で、最終的には契約書のキャンセルポリシーの定めが優先します(依頼は何日前までに?/キャンセル料はいつから?)。
⑤相見積もりは「値切り」ではなく「仕様の点検」のために
見るべきは総額ではなく単価の内訳と、そこに含まれる費目です。安い見積が「安全に必要な人数を減らしている」だけのこともあります(見積書の見方/相見積もりの取り方)。ただし他社の金額を示して「同額まで下げてほしい」と一方的に求めるのは、後述の買いたたきに近づきます。そこで見つかりやすいのが、次の資格者の指定が過剰なケースです。
【一覧表】削ってはいけないコスト
次は逆に、頼んでも下がらない、下げさせてはいけない費目です。手を突っ込むと法令違反の体制を買うことになります。
| 削れないもの | 根拠 | 発注者が知っておくこと |
|---|---|---|
| 検定合格警備員の配置 | 警備業法第18条/検定等に関する規則第2条の表 | 「現場全員が有資格者」ではない。そう見積られていたら見直しの余地 |
| 警備員教育(新任20時間・現任毎年度10時間) | 警備業法第21条第2項/施行規則第38条第4項・第5項 | 会社の義務。積算上は必要経費に立っている費目 |
| 法定福利費(事業主負担分) | 全警協「警備料金の基礎知識」Q5/国交省の労務単価注記 | 下請代金から値引くことは不当行為と国交省が明記 |
| 交代要員・休憩の確保 | 労働基準法第34条/全警協Q14 | 「休憩は持ち場で」は休憩を与えていないことになる(監視・断続的労働として労働基準監督署長の許可を受けた勤務を除く) |
| 深夜割増(原則22時〜5時・25%以上) | 労働基準法第37条第4項 | 賃金の割増率。見積総額が25%増える意味ではない |
| 保安資機材の費用(「値引き」はできない) | 全警協「警備料金の基礎知識」Q5 | 警備員1人あたりの積算とは別に積算・請求すべきもの。無償提供を求めるのは不可。ただし「どちらが用意するか」は交渉できる |
検定合格警備員は「場所ごとに1人以上」——全員Aなら見直せます
ここがいちばん実入りのある確認ポイントです。警備業法第18条は、専門的知識と能力を要する種別の警備業務を検定合格警備員に実施させるよう定め、人数は警備員等の検定等に関する規則第2条の表で種別ごとに決まっています。交通誘導警備業務で配置義務がかかるのは表の五の項(高速自動車国道・自動車専用道路)と六の項(道路または交通の状況により、都道府県公安委員会が道路における危険を防止するため必要と認めたもの)の2つだけで、いずれもその場所ごとに1人以上です。
条文が要求しているのは「場所ごとに1人以上」であって、現場全員が有資格者であることではありません。5人配置する現場で1人が検定合格警備員(交通誘導警備員A相当)、残り4人がB相当でも要件は満たします。ただし1つの「場所」につき1人以上なので、作業帯が2か所に分かれていれば2人必要です。見積書が5人全員A単価で組まれていたら、その根拠を確認する価値があります。ただし実際に有資格者を配置しているなら、その人件費は現に発生しています。確認するのは「なぜ全員なのか」であって、単価そのものを叩くことではありません(警備員AとBの違い/検定合格警備員とは)。
ただし数え方は種別ごとに違うので、他の警備に一般化しないでください。同じ表で雑踏警備業務(四の項)は、まずその場所ごとに1級または2級を1人以上(区分の有無を問わずかかります)。そのうえで、実施の適正の確保上その場所が二以上の区域に区分される場合には、「場所ごと」が「区域ごと」に読み替えられて区域ごとに1級または2級を1人以上となり、加えてその場所ごとに1級を1人が上乗せされます。交通誘導と違って「公安委員会が必要と認めるもの」という限定がないため、雑踏では「削れる資格者」はほぼありません。貴重品運搬警備業務(八の項・現金に係るもの)は現金を運搬する車両ごとに1人以上です(雑踏警備とは)。
教育費は「サービスで削れるもの」ではありません
警備業法第21条第2項は、警備業者に警備員への教育を義務づけ、時間数は同法施行規則第38条で新任20時間以上・現任は毎年度10時間以上と定められています(いずれも有資格者等の区分により短縮される場合があります)。発注者には見えない時間ですが、「研修費は引いてほしい」は法律で義務づけられた費用を払わないと言っているのと同じです。
休憩と交代要員|「持ち場で休憩」はコスト削減ではありません
労働基準法第34条は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を労働時間の途中に与えるよう定めています。全警協は、会社が休憩時間を定めていても、警備員が休憩時間中に来訪者対応や電話応対をせざるを得ない状況であれば労働基準法上の休憩時間とは認められないと指摘しています。
1名しか置かない現場の「休憩は詰所で待機しながら」は、実態は休憩ではなく労働です。なお、監視又は断続的労働として所轄労働基準監督署長の許可を受けた勤務(労働基準法第41条第3号)には休憩の規定が適用されません。許可を受けているかどうかは警備会社に確認してください。交代要員の費用は削減対象ではなく、1名体制で業務が途切れる時間帯を受け入れるか、2名体制にするかの選択になります(警備計画書とは)。なお宿直を1回いくらの定額で扱う方式は、労働基準法施行規則第23条により様式第十号で所轄労働基準監督署長の許可(宿日直の許可)を受けた断続的業務の制度です。許可なく「泊まりは定額で」と求めるのは、賃金と割増賃金が必要な勤務を安く買い叩く行為です。
保安資機材は「別建て」が正しい
カラーコーンや標識車について、全警協は「保安資機材を警備業者から建設業者へ貸し出す費用は直接工事費に該当する」ため、警備員1人あたりの積算とは別に積算して請求することが必要だと明記しています。つまり「資機材は無償で貸してほしい」は筋が通りません。ただしどちらが用意するかは交渉できます。自社保有の資機材を自前で出せばその分は見積から外れるので、最初に決めて別建てで見積もってもらいましょう。
やってはいけない「削減」|買いたたき・一方的な減額
全警協は「警備料金の基礎知識」第3章で、警備業者で散見される不適正な取引事例を挙げています。発注者側から読めば、避けるべき行為のリストです。表の項目名は下請法(現・取適法)の禁止行為の名前で、法律上の扱いは下の段落のとおり取引の形で変わります。
| 項目 | 事例(全警協が挙げているもの) |
|---|---|
| 買いたたき | 従来の料金から一律に一定率で単価を引き下げ、通常の対価を大幅に下回る料金が定められた |
| 代金の減額 | 支払い時に一方的に1,000円単位で値引いて支払われた |
| 不当な経済上の利益の提供要請 | 契約外の除石作業やトラックの洗車、休憩所・トイレ等の清掃をさせられた |
| 不当な給付内容の変更・やり直し | 手配後に発注者都合でキャンセルしたのに、警備会社が要した費用が支払われなかった |
| 書面の作成義務・交付義務・保存義務の違反 | 口頭(電話)で委託し、その後、注文書を交付しなかった |
さらに全警協は、内閣官房・公正取引委員会「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」(令和5年11月29日策定)を引き、コストは上昇しているのに長期間一度も価格改定がない、毎年のように値下げ要請がある、明示的な協議なく価格据え置きとなったといった発注者の行為に対し、公正な競争を阻害するおそれがある場合には公正取引委員会が厳正に対処するとされている、と紹介しています。この指針は令和8年1月1日に改正され、根拠となる法律は「独占禁止法及び中小受託取引適正化法」(取適法。2026年1月施行・旧下請法)と改められました。どの法律がかかるかは、取引の形で変わります。
- 自社が請け負った業務の一部として警備を委託する場合(ビルメンテナンス会社など):資本金や従業員数の条件を満たせば、取適法の対象になり得ます。買いたたき(同法第5条第1項第5号)、代金の減額(同項第3号)、協議に応じない一方的な代金決定(同条第2項第4号)などが禁止されています。
- 自社の施設・工事現場・イベントのために警備を頼む場合:取適法の「役務提供委託」は、事業者が業として提供する役務を他の事業者に委託するものなので(同法第2条第4項)、原則として対象外です。それでも、取引上の地位が優越している発注者が一方的に不利な条件を決めれば、独占禁止法の優越的地位の濫用として問題になり得ます。
- 国や自治体の発注:取適法の対象外です(同法第2条第8項)。
「毎年一律◯%の値下げ」は、指針が挙げる「毎年のように値下げ要請」の類型そのものです。「相見積もりを見せて同額まで下げさせる」も、協議を経ずに価格を決める進め方になりやすく、避けるべきです。
【チェックリスト】見直しの進め方5ステップ
いきなり相見積もりから入ると、仕様が古いまま安い会社を選ぶだけになります。棚卸しが先です。
STEP1|現状の仕様を紙に出す
- □ 現場ごとに配置人数・時間帯・稼働日・資格者の指定を一覧にし、契約書・請求書と並べて契約内容と実際の稼働のずれを確認する
- □ 単価が何を含むか(資機材・移動費・深夜割増・休日割増)を確認する(見積書の見方)
STEP2|不要な稼働を特定する
- □ 業務が発生していない時間帯はないか(日報と警備計画書を突き合わせる)。常駐→巡回、終日→半日、有人→機械警備に置き換えられないか
- □ 資格者の指定が過剰になっていないか(全員A単価になっていないか)。自社で用意できる資機材を借りていないか
STEP3|警備会社に相談する(いきなり他社に当たらない)
- □ 「この人数・この時間帯の根拠は何か」を聞く。法令・許可条件による必置なら触らない
- □ 値下げではなく仕様変更として相談し、代替案(機械警備の併用・巡回化)を検討する
STEP4|必要なら相見積もりを取る
- □ 見直し後の仕様で全社に同条件を提示する(人数・時間・資格者・資機材・雨天時・キャンセル規定)
- □ 極端に安い見積は何を削っているか確認し、認定番号も確認する(認定番号の確認方法/警備業の認定制度とは)
- □ 取った見積を他社にぶつけて下げさせない(相見積もりの作法)
STEP5|切替・契約の見直し
- □ 解約予告期間・自動更新条項を確認する(見落とすと二重払いに/契約書のチェックポイント)
- □ キャンセルポリシーと警備業務実施計画の確定日を明文化し、引き継ぎ期間を確保する。鍵の管理・通報先・設備の操作は書面だけでは渡りません(変更・乗り換え手順)
- □ 安さの理由を聞く。「教育や交代要員を薄くしている」なら発注者側のリスクです(契約NGな警備会社の特徴/警備会社の選び方)
自社の施設や自社の工事現場を自社雇用の従業員で守る「自主警備」という選択肢もあります。これは「他人の需要に応じて行うもの」に当たらないため警備業法の規制対象外ですが、採用・教育・シフト管理・欠員対応はそのまま自社の負担になります(自主警備とは/自社雇用と委託の比較)。
よくある質問
Q. 「検定合格警備員は不要なので単価を下げてほしい」と言えますか?
現場によります。高速自動車国道・自動車専用道路での交通誘導と、都道府県公安委員会が必要と認めた道路での交通誘導は、警備業法第18条と検定規則第2条の表により配置が法定の義務で外せません。一方、義務は「場所ごとに1人以上」であって現場全員ではないので、全員がA単価なら内訳を確認する価値があります。雑踏警備や貴重品運搬(現金)は数え方が異なるため、同じ理屈を当てはめないでください。
まとめ
警備費用の削減は「単価を叩く」ではなく「数量と段取りを見直す」——これが結論です。
- 警備料金は①労務費+②必要経費(労務費の48%)+③一般管理費等で積み上がる。労務単価は請求単価ではなく、見直せるのは仕様/機械警備の併用/発注のまとめ方/手配の前倒し/前提をそろえた相見積もりの5つ
- 削れないのは検定合格警備員の配置・教育・法定福利費・休憩と交代要員・深夜割増。ただし交通誘導の配置義務は場所ごとに1人以上で全員A単価なら見直し余地があり、一律の値下げ要請・一方的な減額は発注者側の問題になり得る
まずはSTEP1から始めてください。多くの場合、交渉より先に誰も見直していない時間帯や人数が見つかります。どれが効きそうか分からない場合は、【無料】警備依頼先診断をご利用ください。
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【出典・参考】
・製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(中小受託取引適正化法)|e-Gov法令検索(第2条第4項・第8項、第5条)
・公正取引委員会「よくある質問コーナー(取適法)」
・内閣官房・公正取引委員会「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」(令和5年11月29日策定・令和8年1月1日改正)
・労働基準法|e-Gov法令検索(第34条・第37条第4項・第41条第3号)
※法令は2026年9月時点で各一次情報と照合しています。
